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INTRODUCTION
『リバイバル・ブルース』は、中年期を迎えた男女の心の再生を描き、現代を生き抜く大人たちに向けて、これからの生き方を問う“友情ドラマ”である。
物語は、ビジネスマンの男が、沖縄で暮らす元バンド仲間の男を訪ね、復活ライブを提案するところから始まる。喧嘩別れから26年間という長い年月は、彼らの考え方や社会的な地位、そして人生を大きく変えていた。
だが、かつてリードボーカルをしていた女が経営する新宿の小さなバーで、お酒を酌み交すことをきっかけに、3人は少しずつ“70年代の青春”を取り戻していく・・・。無言で交わされる“男同士の友情”に、女は半ば呆れて笑ったが、内心は嬉しかった。埃を被ったギター、古ぼけたライブハウス、そして懐かしいブルースの音色とともに、彼らの止まった“青春の鼓動”がゆっくりと息を吹き返す。
そして、バンドの復活を喜ぶ彼らの眼前に現れた“末期癌”というリアルな現実。この世を去る者と、生き残る者。“死”の影に覆われていく友人の横で、皮肉にももう1人の男の“生”は輝き始め、複数の女と関係を結ぶ。かたちを変えて蘇った、対照的な男たちの“新たな友情”を、女は静観し涙ぐむ・・・。迫りくる“友人の死”と向き合いながらも、家族でもなく性をも超えた、大人ならではの“ドライな友情”が育まれる。こうした厳しい現実の中で、まもなく訪れる“最期の別れ”と向かい合い、立ち枯れていた中年仲間の胸に“新しい充足感”が芽生えていく・・。
監督は、カナダ人のクロード・ガニオン。初監督となる『Keiko』(1979年ATG配給)は日本監督協会新人賞、キネマ旬報の第3位(1位『復讐するは我にあり』、2位『太陽を盗んだ男』、4位『赤い髪の女』)を受賞、下半身切断の少年を描いた『ケニー』(1987)はモントリオール映画祭でグランプリを受賞し、世界40カ国において上映されるなど、国際的に活躍する映画監督。
“日本で再び新作を撮りたい”という彼の呼びかけに、内藤剛志、奥田瑛ニ、桃井かおりといった、70年代に映画デビューを果たした日本の演技派俳優陣が賛同した。出演オファーを受けた桃井かおりは「21年間、あなたが私に映画に出てくれと頼んでくれるのをずっと待っていた」と即決したほど、1970年代をリアルタイムに生きた世代にとって“伝説的な映画監督”と言っても過言ではない。出演者に要求されたことは、芝居から台詞まで全てを即興で行うこと。これは、デビュー作の『Keiko』で用いた同様のスタイルだ。俳優の会話劇が妙に現実味を帯び、演技とも素とも判別しにくい“駆け合い”が、不思議な“風味”として全編を包み込む。「リバイバル・ナイト」に登場するバンド演奏もすべて俳優陣たちによる実演、ボーカルの桃井かおりによるステージパフォーマンスも見どころのひとつである。そして、沖縄、京都、新宿・・・再び日本の地を踏んだクロード・ガニオン監督が映し出す日本の風景は、どこか懐かしく、そして新しい。この独特でノスタルジックな映像世界に、ライブ感溢れる即興演技がリアルな質感を与える。
『リバイバル・ブルース』は、“死に対する静かなる勇気”を創出させてくれる、異色の感動作だ。
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